Dr.Mikamoブログ

2014-5-31

Posted by wpmaster on 6月 02, 2014
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アジア系の臨床心理博士候補、ポスドク、学生などを応援する会に参加し、「8時15分 ヒロシマで生き抜いて許す心」の紹介や、臨床心理の専門的見地から見た「許す心」の効用について観に講演をしました。私が博士課程の学生だった頃は、臨床心理ドクターは白人がほとんど、多少ヒスパニック系と黒人がいるが、アジア系はほとんどいないのが現状でした。それに比べると、サンディエゴで数十人のアジア系の臨床心理専門家が集まるというのは、随分発展したものです。国籍や言語文化背景も多様で、日本からは私一人でしたが、中国、韓国、インド、タイ、ベトナム、カンボジア、マレーシア、インドネシア、台湾、フィリピン、そしてバイレイシャル(二種以上の人種背景がある)といろいろあり、一昔前に比べると、多種の患者のニーズに対応できるようになってきつつあります。ほとんどはまだ学生なのでこれから臨床経験を積んでいきます。日本の大学院はまだそこまで行っていないようですが、こちらで博士号をとり、臨床心理ドクター免許取得のために必要とされる臨床訓練の時間は3,000時間(フルタイムで約二年間)で、かなりの数のケースをこなさないといけないので、徹底的に訓練されます。

2014-5-30

Posted by wpmaster on 6月 01, 2014
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10年以上前にファミリーセラピー(家族療法)を行っていた患者さん(お母さん)にばったり会いました。向こうから声をかけてくださったので、懐かしく少しだけ立ち話をしましたが、あんなにストレスだらけで大変だった40代の日本人女性が、自分を見つけ出し、子供たちを立派に育て、やりがいのある専門職につき、とても生き生きと健康に人生を楽しんでいらっしゃるとのことで、うれしくなりました。今日も他の患者さんがたくさんいらっしゃいますが、ますますやる気が出ました。昨日はほぼ24時間労働(窮屈な飛行機も入れて)だったので体は疲れていますが、そんな疲れは吹っ飛びました。

2014-5-29

Posted by wpmaster on 6月 01, 2014
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エグゼクティブ・コーチングの仕事でデトロイトに来ました。デトロイトはカナダに近い北にあるので、夜9時半でも夕焼けがこんなにきれいです。今回のプログラムは、この10数年で目覚しい発展を遂げている製造業の国際企業の新しい試みで、パイロットプログラムです。今までコーチングを受けたことのないエグゼクティブの方たちとこれから6ヶ月間一緒にリーダーシップスキル向上のための活動をやっていきます。まずは、小グループでのエクササイズと一対一の面談。この企業はアメリカが本社ですが、アジアや南アメリカやヨーロッパのエグゼクティブも参加しています。みなさん、やる気まんまんで、私も楽しみです。

25 Sunset in Detroit

2014-5-28

Posted by wpmaster on 5月 29, 2014
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5月25日放送のToginet.comのインターネットラジオインタビューを英語版の本のウェブサイトにあっぷしました。下記のリンクでホームページに行き、スクロール・ダウンしてPress & Mediaのセクションのトップに載せています。再生ボタンを押すとダウンロードされて聴くことができます。英語は得意な方、挑戦したい方、是非聴いてみて下さい。ホストはカナダの声優さんですが、素晴らしい本だと絶賛してくれていました。

 

www.RisingHiroshima.com

 (Press & Mediaのセクション、Toginet Radio 2.0)

http://risinghiroshima.com/downloads/IndieBookPublishing3_2014-05-25_Dr-Mikamo.mp3

2014-5-27

Posted by wpmaster on 5月 28, 2014
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臨床心理医(ルイジアナ州)や臨床心理ドクター(カリフォルニア州)の免許更新のために、年間35時間前後のワークショップ(臨床心理医免許は心理ワークショップと医学ワークショップの両方)を受ける必要があります。今回は、アメリカ心理学会の「注意欠如・多動障害(ADHD)の最新のアセスメントと治療」の上級ワークショップに参加しました。私が普段の臨調経験やサイコロジスト養成や教員養成の大学院教育と訓練を行いながら痛感している通りの内容でした。ADHDの権威であるエール大学のDr. Thomas E. Brownの研究と実践に基づいた講義で素晴らしく包括的です。

 

日本の精神科医、小児科医、臨床心理士、スクールカウンセラー、教員、親御さんたちの全てに理解してもらいたいのは、特に「ADHDとは何か、どのようなアセスメントがされるべきで、どのような治療が有効で、何が期待できるか」ということです。また、教員を含めた専門家には、それに加えて「どのアセスメントをどのように選んで行い、結果をどう解釈して診断に役立てるか。」「どのような治療計画や教育計画をたて、どのような治療方法や療育方法を用い、その効果をどのように測定して、そのデータを計画の改善に役立てるか。」「それを本人や家族にどう説明して、どのような理解を促進するか。」ということです。

 

ひいては、ADHDのみならず、他の(日本で)「発達障害」と言われている「なんだか良く分からない障害」に社会が正確な理解をもてるようになるのが理想です。ちなみにADHDは欧米では「発達の段階で顕著になる障害」であり、最新の研究では「脳の前頭葉が司る整理、計画、問題解決、分析、統合などの高次思考機能(エグゼクティブ機能)が順調に発達していないことによる障害」であるのですが、自閉症のように「発達そのもの」に広汎的に障害がある真の意味での「発達障害」の中には含まれません。

 

日本で「発達障害者支援法」ができて、それ以前はヘルプがほとんど受けられなかったADHDや学習障害の人たちが発達障害の人たちと共に、援助を受けられるようになったのは素晴らしいことですが、これらを全部まとめて「発達障害」と呼んだために、医療現場でも教育現場でも大きな混乱が起こり、教員やソーシャルワーカーはもちろん、専門医や臨床心理士でさえこれらの違いや診断法や適切な治療法が良く分かっていない人がまだたくさんいます。

 

以前私も日本で研修会を行ったことがありますし、一般読者向けのコラム記事なども書いていますが、専門家の方は以下のDr.Brownのホームページ(英語)にとてもよい最新の情報がありますので、参考にして根本的なことをしっかりと学ばれるとよいと思います。(と思うと、やはりどの分野でも使える英語の教育がどれだけ重要かと言うことに思いがいきます。)
http://www.drthomasebrown.com/

2014-5-26

Posted by wpmaster on 5月 25, 2014
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カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)の近く、アイラ・ビスタ地区で金曜の夜あった銃乱射事件について、いろいろな報道がありますが、アメリカではこのように容疑者が死亡している場合に、容疑者の動機や心理状態を理解し、その後の犯罪心理学や法精神医学に役立つように「精神的検死(Psychological Autopsy)」を行うことがあります。

 

「精神的検死(Psychological Autopsy)」は、容疑者の生前の刑事・民事・少年裁判などに関する全ての記録、学校の成績や活動などの記録、医療記録、心理療法やカウンセリングを受けていればそれらの記録など、ありとあらゆる記録を吟味し、可能な場合は家族・知人・職場や学校の関係者のインタビューを行い、精神鑑定で行う知的機能、情緒的機能、行動様式、社会性、創造性、生理心理的な機能などにおける仮説をたててから、出来る限りの検証をおこないます。本人はもういなくなってしまっているので心理検査はできませんが、これまでの記録や報告からかなりの理解をすることも可能です。その中で、その容疑者が生前に精神疾患に苦しんでいたかどうかの可能性も考慮します。実際に診断や治療が行われていなくても言動の様式からかなりの確率で精神疾患や人格障害が疑われることもあります。

 

今回の事件に関しても、きっと精神鑑定専門の法心理学者が精神的検死をするでしょう。「許す」という心を持つことがいかに難しいか、恨みが凝縮され膨れ上がるとどれほど危険で悲惨なことか、戦争のようにスケールの大きい被害や不幸ではありませんが、私は結局同じことから来ていると思います。

 

被害者の冥福を祈ると共に、遺族に心からお悔やみを申しあげたい気持ちです。
初代「ゴジラ」の本多猪四郎監督が、「色の無い」ヒロシマの廃墟を戦後すぐに列車で通り過ぎる時、「自分には何が出来るのだろう」と思ったのは、私が今感じているような気持ちなのかもしれません。「私には何が出来るのだろう」

2014-5-25

Posted by wpmaster on 5月 25, 2014
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TogiNetラジオの著者インタビュー番組が日本時間で5月26日午前零時から1時の間(日曜の夜中から)に初回放送..と言われていたのに、既に終わっている!でも、下記のリンクよりまだ聴けます。

http://toginet.com/shows/indiebookpublishing3

(*こちらのリンクは終了しました。)

 

右下に”Recent Shows”という欄があり、放送日ごとになっています。5-25-14放送分の”Debra Pagano, Terry Yurick, Dr. Akiko Mikamo”をクリックすると聴けます。私のパートは30分21秒時点から開始です。

 

 

Sunday 25th of May 2014

Indie Book Publishing 3

Debra Pagano, Terry Yurick, Dr. Akiko Mikamo

 

2014-5-24

Posted by wpmaster on 5月 25, 2014
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カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)のすぐ近くの繁華街で、23日金曜の夜9時半ごろ大学生が黒いBMWで通りかかって銃を乱射し、容疑者本人を含め7人が死亡、他に13人が怪我、という悲惨な事件がありました。サンタバーバラはロスの北西にある海沿いのきれいな町で(サンディエゴからは3時間半ほど)、UCSBは名門校です。

 

容疑者のエリオット・ロジャー(22)自身が事件の数時間前にセルフィー(自写)で撮ったビデオを動画サイトにアップロードしたものです。7分近くあるこのビデオを診て、私はもちろん精神鑑定の専門的な目からみて、頭の中にはありとあらゆる精神機能システムの検証仮説が浮かんでいます。それと同時に心が感じるのは、深い痛みです。容疑者は、「この8年もの間、女の子達に拒絶され、男達にも馬鹿にされものすごく寂しさと苦痛を味わった。不公平だ!絶対に許さない。自分の人生(ライフ)を台無しにしたのだから、お前達の命(ライフ)をとりあげてやる。究極の罰を与えてやる。女達よ、お前らを手に入れられないなら、殺すしかない…」

 

https://www.youtube.com/watch?v=nIDGsz_8k_E

(容疑者の復讐宣言ビデオ)

(*こちらの動画は削除されております。)

 

新しい報道によると、事件後、容疑者のアパートで3体の男性の遺体を警察が発見。また、140ページにわたる「マニフェスト(声明文)」も発見されたそうで、「復讐」の計画が詳しく書かれているそうです。

 

また容疑者のどちらかの親が先月警察に電話をして「危険なビデオをポストしている」と助けを求め、警官が様子を見に行ったそうですが、問題なしとなったのだそうです。

 

まだ起こったばかりの事件で、余り多くのことが明らかにいないのでいろいろは書けませんが、とにかく心が痛みます。もし、この容疑者が犯人と確定されたら、この容疑者の苦しみはいかほどのものだったか、それと同時に、もしこの容疑者が早めに他の助けを求めていたら救われる道があっただろうにということを強く感じます。私はサンディエゴの大学のカウンセリングセンターで心理療法を行っている博士候補の学生を何人かスーパーバイズして来ましたが、アメリカの高校も大学もそれぞれサブカルチャーがあり、いろいろな意味での精神的プレッシャーは計り知れません。被害者の家族の気持ちを思うといたたまれない気持ちもしています。
このような惨事が無くて済むような、平和で安全な世界を作る手助けをしたい。それが私やサンディエゴ・ウィッシュ~世界平和を願う会、Forgiveness from Hiroshimaの強い願いです。私はこの事件を知って、自分の決意を又新たにしました。このビデオは私が訴えている「許す心」が持てない場合にどうなるかの、反面教師です。詳しくはわかりませんが、この容疑者自身も家族や地域や学校の中でなんらかの「被害者」になってしまっていた確率は非常に高いです。

2014-5-24

Posted by wpmaster on 5月 25, 2014
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「8時15分~ヒロシマで生き抜いて許す心」のハリウッド映画化準備にあたり、今まで何も知らなかった映画制作のことについて少しずつ学んでいます。今日は「ゴジラ2014」を観に行ってきました。映画評論をするつもりはなく、私が世界に伝えたいテーマと関係のある映画を観て感じたことを一部シェアーできたらと思います。日本公開は7月25日ということで、先が長いですね。はっきり言って、グアムに行ってでも見て欲しいぐらいです。

 

初代「ゴジラ」の本多猪四郎監督の思い出を奥様が語られた「ゴジラのトランク」(本多きみ著、西田みゆき文・構成、2012年宝島社)の中で、本多監督がどんな思いでゴジラを生み出されたかが書かれています。私の思いと繋がるところが深くあり、初めて読んだときはびっくりしました。

 

「ゴジラ2014」も、アメリカ人のティーンは映画が「かっこいい!!」と騒いでおり、まさヒーロー映画ですが、ものすごく深い意味が象徴的にいろいろなレベルで隠されているというか表されているというか、感銘しました。怪獣映画を観るのは初めてですが、とても実存的、詩的に感じました。映画を観た人には、私が何を言いたいか分かると思います。

2014-5-23

Posted by wpmaster on 5月 23, 2014
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昨日、映画「8:15(エイト・フィフティーン)」のプロデューサーのジェレミー・ウォールとハリウッド・センター・スタジオ内のオフィスでミーティングをしました。日本のメディアの方も来て、これからのメディアカバレッジをどのようにしていきたいかなどをプロデューサーにリクエストされてました。脚本の最終調整があとほんの一息のところまで来ているので来週あたりには、監督候補と、最後に磨きを入れてもらう有名脚本家に同時に脚本を送りはじめ、なるべく早い時期の契約を目指すのだそうです。監督候補についてもいろいろな案があがっていました。どの名前も実力あふれるすごい監督ばかりです。
全く別件の映画で、へそを曲げてしまって撮影に来なくなった俳優さんがいて困っているから訴えなければいけないというディレクターに、「パフォーマンス心理学のコーチを雇ってみることを考慮してみましたか?」と訊くと、「まだだが、Dr. Mikamoにお願いできるか?」いう話が出ました。アスリートや企業のトップエグゼクティブや芸術家、研究者やアーティストなどがベストのパフォーマンスをするために専門の臨床心理ドクターがコーチングをするのは珍しくなく、私の専門分野の一つでもあります。「ケースによっては、可能です。」と応えておきました。ハリウッド、特に俳優さんや女優さんはいろいろあるというのが世間一般の憶測ですが、彼らも皆人間ですから基本的には心理機能の原則は普通の人たちと変わりません。ただ、感情が激しくお金の余っているクライエントだと、職業に関わらず、何かに逆切れしてセラピストやコーチを訴えるという確率の数字が一般のクライエントより高くなるので、ネガティブ要素(本人のためにもならない)とベネフィット(本人がどれくらいプラスを得られるか)のバランスを考えてから、ケースを引き受けるかどうかを決めます。

 

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