一般社団法人Forgiveness from Hiroshima(フォーギブネス・フロム・ヒロシマ)
美甘章子氏著書「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」(講談社エディトリアル刊)で、同氏が綴った両親の被爆体験や生き様を通じて、人々に戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさを伝え、次世代の若者が平和の重要性を理解し、異なる立場にある人々と相互にわかり合い、広く優しい心と感謝の気持ちを持った人間に育つために行なう様々な活動を支援することを目的として2014年4月に設立しました。
活動内容
美甘章子著書 “Rising from the Ashes: A True Story of Survival and Forgiveness from Hiroshima”とその日本語版「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」を多くの人々に知っていただくために、同著のクロスメディア化、講演・広報活動をします。
(1)講演会、朗読会、セミナー等の企画・運営
(2)ドキュメンタリー番組、映画の企画、制作
(3)演劇の企画、制作
(4)図書館・教育施設等への同著作物の寄付
(5)これらの目的達成のための寄付の受付
(6)会員の募集と会員組織の運営 (準備中)
代表あいさつ
1945年8月6日、広島に人類初の原子爆弾が投下されました。10歳だった私の父も広島で被爆しました。私はかねてから被爆二世としてヒロシマを次世代に伝える事業をしたいと考えていました。そのようなとき、友人の美甘章子(みかもあきこ)さんが英語で本を出版しました。“Rising from the Ashes: A True Story of Survival and Forgiveness from Hiroshima” と題されたこの本には、彼女の両親の被爆体験とその後の人生が記されています。章子さんは「憎むべきは戦争であってアメリカではない。英語や多文化をしっかり学習して、立場の違う人たちの橋渡しとして平和な世界のために貢献しなさい。」という父上の言葉どおり、米国で心理学博士となり多くの人々を助けています。被爆二世によって英語で書かれたこの本は、ヒロシマを世界に伝える重要なメディアとなり欧米で大きな反響を呼んでいます。原爆投下により大やけどを負い、家族も家もすべてを失った章子さんの父上が、感謝の気持ちと努力を忘れず懸命に生きる姿に世界の人々は驚き、誰もが尊敬の念を抱きました。この本をはじめて読んだときに私の心に浮かんだことは、「自分も家族も元気で生きていてありがたい」「今日も平和に朝を迎えられてありがたい」という気持ちでした。この本をひとりでも多くの若い人たちに読んでほしいと思いForgiveness from Hiroshimaを設立しました。まずは公共図書館への本の寄付や朗読会などをしようと考えています。この本が世界の人々に読み継がれ、平和の大切さやお互いを思いやるこころを育む助けになることを願っています。
Forgiveness from Hiroshima
代表理事 二宮かおる
本のご紹介
「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心 」
あらすじ
1945年8月6日午前8時15分、19歳の主人公美甘進示(著者の父)と福一(同祖父)は建物疎開作業中に爆心地から1.2kmで被爆。二人は廃墟となったヒロシマの町で助けを求めて歩き廻る。瀕死の進示は、5日後郊外の避難所で福一と離ればなれとなり、生死の境を何度も彷徨う。奇跡的に一命をとりとめ数ヶ月後退院するが戦争孤児となった進示は、戦後も身寄りが無いための差別、貧困、長女の障害、自身の病気など究極の困難に次々と見舞われる。が、アメリカを恨まず、周りへの感謝の気持ちを持ち続けて努力を重ね、爆心地から800mで被爆した妻美代子と力を合わせて、家族と自営業を発展させる。
戦後、進示は自宅跡の灰の中から、8時15分の針の跡が焼き付いた福一の懐中時計を見つけ出した。広島原爆資料館に寄贈された形見の懐中時計は、1985年にニューヨークの国連本部の展示場に永久貸与され太平洋を渡ることとなる。進示は次女の章子に「憎むべきは戦争であってアメリカではない。英語や多文化をしっかり学習して、立場の違う人たちの橋渡しとして平和な世界のために貢献しなさい。」と言いきかせ育てていた。その章子が1989年に臨床心理学の博士号をめざして渡米し、祖父福一の懐中時計に再会するために国連本部へ行ったところ、展示してあった時計の盗難が発覚した。
ただ一つの家族の遺品を盗まれ進示は多大なショックを受けるが、「恨みではなく許すこころ」を章子に諭す進示のもとに、思いがけない贈り物が届く・・・
著者 美甘章子 心理学博士 略歴
被爆した両親の次女として広島市で生まれる。広島大学教育学部卒業後、高校の英語科講師などを経て1989年に渡米。北アリゾナ大学大学院で教育学修士、カリフォルニア心理学専門大学院で心理学博士、フランスの国際ビジネススクールINSEADでコンサルティング学エグゼクティブ修士、アライアント国際大学で後博士号臨床精神科薬理学修士等を取得。渡米後、多様な現場で臨床心理と薬物中毒治療などの経験を積み、1995年よりカリフォルニア州サンディエゴ市で臨床心理ドクターとしてクリニック開業。2012年に日本人では初の臨床心理医免許を取得し、精神科投薬相談も受ける。US-Japan Psychological Services代表として、心理療法、精神鑑定、組織コンサルテーション、エグゼクティブ・コーチング、スポーツメンタルコーチング等に従事し、大学院教育や執筆・講演活動にも携わる。www.usjapanpsych.com
2010年より、NPO「サンディエゴ・ウィッシュ〜世界平和を願う会」の代表として、毎年広島と長崎の原爆記念日(8月)に、全米一の軍港都市であるサンディエゴにおいて「平和とヒューマニティーの日」の行事である「世界平和祈願式典」と「灯籠流し」を開催し、次世代の平和のための教育と啓蒙活動にまい進する。www.sdwish.org
2013年、英文でRising from the Ashes: A True Story of Survival and Forgiveness from Hiroshimaを著す。
2014年前出の著書の日本語版「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」を出版し、広島本大賞にノミネートされる。
2014年11月、世界平和賞を英国で受賞
2015年7月、Rising from the Ashesのイタリア語版刊行
2016年9月、スペイン語版刊行
2016年12月、ポルトガル語版刊行
2016年11月、「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」オーディオブックをインターネット音源配信サービスFebeで発売開始。
2019年11月 英文原作本を“8:15 A True Story of Survival and Forgiveness from Hiroshima”と改題して新版刊行
2020年7月 ドイツ語版刊行
2020年7月 ドキュメンタリー映画『8:15』を米国で制作 同映画が10月ナッシュビル映画祭で観客審査員賞を受賞
これまでの報道
フジ・サンケイ国際チャンネル「モーニング EYE」、TSS テレビ新広島「スーパーニュース」、中国新聞、広島平和文化メディア、BBCワールドサービス、BBC ラジオ4、オーストリア放送協会FM4、フランス「ロード・マガジン」、Alternet.com、Japan Today、 Japanator、 南アフリカ共和国「ザ・シチズンズ」、カナダ「ニッケイ・ボイス」、アメリカ「フォックス・ニュース」、サンディエゴ・ユニオン・トリビューン、インターネットTV局TVApex などでインタビュー報道と書評記事
ドキュメンタリー映画
「8時15分 ヒロシマで生きぬいて許す心」をアメリカでドキュメンタリー映画化。
2020年10月ナッシュビル映画祭にて観客審査員賞を受賞。
『8:15』
エグゼクティブ・プロデューサー 美甘章子
監督 J・R・ヘッフェルフィンガー
プロデューサー ニニ・レ・フュイン
主演 田中壮太郎
テーマ音楽 細川俊夫
51分、カラー、英語作品(日本語字幕付き、再現ドラマは日本語で英語字幕付き)