2014-5-24

Posted by wpmaster on 5月 25, 2014
Dr.Mikamoブログ

カリフォルニア大学サンタバーバラ校(UCSB)のすぐ近くの繁華街で、23日金曜の夜9時半ごろ大学生が黒いBMWで通りかかって銃を乱射し、容疑者本人を含め7人が死亡、他に13人が怪我、という悲惨な事件がありました。サンタバーバラはロスの北西にある海沿いのきれいな町で(サンディエゴからは3時間半ほど)、UCSBは名門校です。

 

容疑者のエリオット・ロジャー(22)自身が事件の数時間前にセルフィー(自写)で撮ったビデオを動画サイトにアップロードしたものです。7分近くあるこのビデオを診て、私はもちろん精神鑑定の専門的な目からみて、頭の中にはありとあらゆる精神機能システムの検証仮説が浮かんでいます。それと同時に心が感じるのは、深い痛みです。容疑者は、「この8年もの間、女の子達に拒絶され、男達にも馬鹿にされものすごく寂しさと苦痛を味わった。不公平だ!絶対に許さない。自分の人生(ライフ)を台無しにしたのだから、お前達の命(ライフ)をとりあげてやる。究極の罰を与えてやる。女達よ、お前らを手に入れられないなら、殺すしかない…」

 

https://www.youtube.com/watch?v=nIDGsz_8k_E

(容疑者の復讐宣言ビデオ)

(*こちらの動画は削除されております。)

 

新しい報道によると、事件後、容疑者のアパートで3体の男性の遺体を警察が発見。また、140ページにわたる「マニフェスト(声明文)」も発見されたそうで、「復讐」の計画が詳しく書かれているそうです。

 

また容疑者のどちらかの親が先月警察に電話をして「危険なビデオをポストしている」と助けを求め、警官が様子を見に行ったそうですが、問題なしとなったのだそうです。

 

まだ起こったばかりの事件で、余り多くのことが明らかにいないのでいろいろは書けませんが、とにかく心が痛みます。もし、この容疑者が犯人と確定されたら、この容疑者の苦しみはいかほどのものだったか、それと同時に、もしこの容疑者が早めに他の助けを求めていたら救われる道があっただろうにということを強く感じます。私はサンディエゴの大学のカウンセリングセンターで心理療法を行っている博士候補の学生を何人かスーパーバイズして来ましたが、アメリカの高校も大学もそれぞれサブカルチャーがあり、いろいろな意味での精神的プレッシャーは計り知れません。被害者の家族の気持ちを思うといたたまれない気持ちもしています。
このような惨事が無くて済むような、平和で安全な世界を作る手助けをしたい。それが私やサンディエゴ・ウィッシュ~世界平和を願う会、Forgiveness from Hiroshimaの強い願いです。私はこの事件を知って、自分の決意を又新たにしました。このビデオは私が訴えている「許す心」が持てない場合にどうなるかの、反面教師です。詳しくはわかりませんが、この容疑者自身も家族や地域や学校の中でなんらかの「被害者」になってしまっていた確率は非常に高いです。

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