Monthly Archives: 7月 2015

2015-7-20

Posted by wpmaster on 7月 23, 2015
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広島国際シンポジウム

広島国際会議場で行われた国際シンポジウム「被爆70年~核兵器廃絶と被爆体験の継承を考える」で、基調講演「被爆体験の心的トラウマ~70年間にわたる影響から見た被爆体験」を行いました。

<基調講演概要>

戦後70周年の心理学・精神医学における被爆者心理の系統的研究は、国際文献ではほとんど皆無である。国内の文献でも今日の科学基準に基づいたものはほとんど見当たらない。本講演では、被爆者の多数が苦しんだと思われる心的トラウマとその後遺症PTSDに付いて考察すべき点を提唱する。PTSDはベトナム戦争後本格的に研究され、アメリカの精神科診断基準では1980年に初めて精神科疾患として含まれた。1945年に原爆投下があり、その後ゼロから生活再建を強いられた被爆者は、心の傷に目を向ける余裕もなかっただろうと思われ、治療研究や実践もなかった。これを考察するには、PTSDの研究、豊富なデータのあるホロコーストの生存者の心理研究なども参考にするべきだが、被爆者だけが持つ特有な要素を十分考慮しなければ、真の意味での被爆者心理理解にはつながらない。

また、長年にわたる放射能の恐怖、深層心理で凍結しているかもしれない心の傷や負の感情のみならず、家族システム理論に基づいた、家族や子孫への心理的影響も見逃してはならない。それらを包括的に捉えた上で、トラウマ被害者が心理回復をする過程でプラスの要素とマイナスの要素に言及し、罪悪感、恨みの心と赦しの心が一般的にどのように影響するかについて説明する。被爆者・戦争孤児の心理回復の事例に付いても述べる。
講演ではトラウマとPTSDについての正しい理解を促すべく説明をし、心理的回復に必要な要素に付いても述べました。

被爆者心理研究のチャレンジは、被爆者の高齢化や生存者の減少に加えて以下の5点の被爆体験のトラウマとしての特殊さがあげられます。

1.瞬時に近い大殺戮

2.史上初めての核兵器

3.不確定要素、予想不能な状況

4.極度に残酷な情景を何万人単位以上が体験かつ目撃

5.長期にわたる見えない放射能の恐怖を回避できない

6.人間性のニーズの最底辺から長期再建 (が必要であったため、こころのトラウマにまで被爆者本人や臨床家・研究者も気が回らなかったであろう)

また、被爆二世・三世、その後の子孫への家族システムからの影響に付いても触れました。

 

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【前広島平和文化センター理事長のスティーブン リーパー氏と】

 

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2015-7-16

Posted by wpmaster on 7月 22, 2015
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ロンドン大学

ロンドン大学で国連協会との共催で行われた国際会議「核政策と歴史の真実」では、「あのきのこ雲の下で、そしてそれを乗り越えて」という題で「8時15分」に描かれている広島原爆投下後の実情とそれを乗り越えて生きて復興を目指した人間について基調講演を行いました。

国際政治と国際関係論・歴史学の世界的権威が揃った会議でしたが、多くの発表者に「今まで、被爆者の生の体験や実情についてこれほど詳しく聞いた事がない。大変感動し参考になる。」と絶賛していただきました。

ワシントンDCのアメリカン大学核歴史研究所所長のピーター・カズニック教授は、オリバー・ストーン氏と共著の「知られざるアメリカ史」の中に詳しく述べてあるように、いかに原爆使用が非人間的で戦争犯罪であったか、いかに戦争終結に不必要であったかなど、実際の証言や文献を挙げて強く語られました。当時のアメリカ軍5スター元帥6人のうち5人が「原爆は必要なかった」と公言しているのですが、アメリカのメディアではほとんど取り上げられておらず、現在でも「原爆投下によって戦争は終結し何百万人もの米兵や日本国民の命を救うことができた」と高校の歴史の授業などでは教えられています。

その他の講演者は、ロンドン経済政治大学院のマシュー・ジョーンズ教授、ロンドン大学先端研究所のフィリップ・マーフィー教授とスーザン・ウィリアムズ博士、ダグ・ハマショルド(前国連総長)財団のへニング・メルバー教授、英国王立国際問題研究所のウォルト・パッタ-ソン博士など草々たるメンバーでした。

 

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【ロンドン大学のSenata House】

 

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【ピーター・カズニック教授(右)とメディアの方】

Posted by wpmaster on 7月 14, 2015
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◇2015年7月13日

美甘章子が7月20日(月・祝)広島国際会議場でおこなわれる「国際シンポジウム」で講演します。
8月5日~9日(日本時間8月6日~10日)、美甘章子が米国カリフォルニア州サンディエゴで開催される「平和を願う退役軍人の会」全国集会で講演を行います。

イベントは美甘が代表をつとめる、NPOサンディエゴ・ウィッシュが被爆70周年祈念行事の一環として共催・協賛します。

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2015-7-5

Posted by wpmaster on 7月 05, 2015
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帆船ゴールデン・ルールの物語

 

米ソの核実験が盛んであった1958年、核兵器使用に反対するアメリカ人数名が乗り込んだ小さな帆船がアメリカ西海岸から太平洋沖に向かいました。

帆船の名前は 「ゴールデン・ルール」 (黄金律)。

宗教を超えた人類普遍の 「他者から自分がしてもらいたいと思うように、他者にしなさい。」 という倫理原理がその名でした。

実験場であるビキニ諸島と核兵器を載せた米軍艦との間に入って実験を阻止するのが目的でしたが、ハワイ付近で航海をはばまれ、乗組員は逮捕され投獄されました。

その後ゴールデン・ルールは行方がわからなくなっていました。

しかし2010年、嵐で沈没した後荒れ果てた状態でほったらかしになっているのがカリフォルニアで発見されました。

「ゴールデン・ルール」の使命を知ったアメリカ人有志らが帆船の復元を呼びかけました。

この中には顔面ケロイドの形成手術のために渡米したヒロシマ被爆乙女をホームステイで世話をした人もいました。

そして「平和を願う米退役軍人の会」(VFP)が全米プロジェクトとして復元作業を立ち上げ、数年をかけてついに「ゴールデン・ルール」は最盛期の姿に戻り、今年6月20日に再び海に浮かべられたのです。

https://www.facebook.com/pages/VFP-Golden-Rule-Project/221122271247448

 

今年7月16日は、史上初の核実験「トリニティー・テスト」が行われた70周年にあたります。その日に「ゴールデン・ルール」はサンフランシスコ北のハンボルトから出航し、8月6日の広島原爆記念日前にサンディエゴに到着します。プロジェクトをてがけた「平和を願う米退役軍人の会」(VFP) の全国会議が8月5-9日にサンディエゴで開催されます。

「8時15分」の著者である私、美甘章子が代表の非営利団体「サンディエゴ・ウィッシュ~世界平和を願う会」が主催する「平和とヒューマニティーの日2015」(8月5日ー7日)とVFPは共催イベントを行います。国籍、国境をこえてともに平和を願う機会になるでしょう。

https://www.facebook.com/SanDiegoWISHOfficial