11日のリメンバランス デー(第一次世界大戦の終戦記念日)にロンドンで行われる平和賞受賞式を前に、一足先にサンディエゴからフランクフルトに入りました。
静かなマイン川岸を歩いていると、何と鶴がお迎えしてくれました。
祖国の日本と、多くの人の平和への思いを込めた折り鶴を想い、立ち止まるひとときでした。
サンディエゴの日本語誌、「サンディエゴ・インターナショナル・タイムズゆうゆう」の11月1日号で、来たる11月11日のイギリスでの受賞が紹介されました。
11月11日は、第一次世界大戦の終戦記念日で、欧米では「リメンバランス・デー」「復員兵の日」などの祝日の国が多く、その日に「世界平和のための稀有なる貢献に対する賞」をウェストミンスター宮殿内の英国貴族院で受賞します。
詳しくは、ゆうゆうの11月1日号をご覧下さい。
http://www.sandiegoyuyu.com/
友人宅でご親戚のトミーさんの75歳の誕生パーティーに、偶然ご一緒させていただきました。ほとんど面識がなかったトミーさんは、私が日本から帰ってきたばかりと聞いて、故郷広島についていろいろ興味を持ってくださり、家族の被爆体験や本の話が出る前に、「私はね、自分の国が世界で唯一核爆弾を使った国だと言うのが、本当にやりきれないんだよ。この上なく悲しいことだ。」と真心を込めておっしゃいました。全米最大の軍港のサンディエゴに22年間住んでいますが、ここで70歳以上の方が率先してこのようにおっしゃってくださったのは初めてで、心をうたれました。
私が家族や本の許す心のメッセージに付いて話すと感動してくださったので、『8時15分』の英語版”Rising from the Ashes” をプレゼントしました。トミーさんは「3回目の四半世紀の誕生日に、素晴らしいプレゼントをもらった。心からありがとう。読ませてもらうのがとても楽しみだ。あなたのお父さん(美甘進示)のように、自分も元気で長生きできるよう精進するよ。」と、本の中の写真や地図を見ながら、とても喜んでくださいました。
実は、誕生パーティーの真っ最中とは知らず、他の用事があってほとんど手ぶらで行ってしまったので、さっと豆腐ステーキを作って用意されていたサラダに加えました。小学校の先生で6歳と3歳の子育て真っ最中の、トミーさんの娘さん(30代)が、「”Rising from the Ashes”をこの夏読ませてもらったわ、本当に素晴らしい本ね。世界中に伝えたいメッセージで感動したわ。忙しくて時間がないと思っていたのに、ふと手にとって読み始めると止まらなくなってしまったのよ。教師の友人達にこの本を機会あるごとに薦めているのよ。あなたのご先祖(母方の祖父母)はオーガニックなお豆腐を作ってらしたのよね。私、お豆腐大好き。」と本も豆腐も絶賛。
亡き祖父美甘福一(父方)は、先見の明のあった人で、戦前、「豆腐はご馳走じゃないとばかにするもんもおるが、今に、世界中で好まれるようになる。これほど安価で栄養価が高く健康的な食べ物はめったにない。」と言っていたそうです。私は、豆腐屋だった母方の祖母の手作りの豆腐を毎日食べて育ったので、今でも大好きでほとんど毎日食べています。良質のお豆腐は、おしょうゆもほとんどかけずに、そのまま頂いたほうが、豆腐そのものを味わえておいしいのです。
10月7日、広島県東京事務所にて、石田所長さんと望月次長さんの取り計らいで素晴らしいランチミーティングがありました。
出席者は
広島県東京事務所から石田所長さん、望月次長さん、大山課長さん
NPO法人サダコレガシーから佐々木祐滋さん
http://www.sadako-jp.com/
「広島愛の川」作曲者の山本加津彦さん
http://www.katsuhiko-yamamoto.com/
「七つの川は銀河に届け」著者の岡村有人さん
http://www.hiroshima-u.ac.jp/news/show/id/14577/dir_id/18
「8時15分」著者の美甘章子
(社)フォーギブネスフロムヒロシマ 代表理事の二宮かおるさんと
ディレクターの西田みゆき
各々が、日々の活動とその思いを語る有意義な濃密な2時間でした。
この出会いが、次の展開につながることを約して、散会となりました
写真、撮影は大山課長
ただいま、私は日本に帰国しています。
この機会に被爆二世との交流を深めています。
私と同じく被爆二世でFFH代表の二宮かおるさんと共に、東京在住の広島・長崎被爆二世の会、おりづるの子交流会に参加しました。
雨の中、会長、事務局長をはじめ、約20名が集まり、被爆二世としてこれからどのように核なき平和に貢献できるかについて話し合いが行われました。地道な活動ですが、大変意義深いことだと思います。
私は「8時15分」と英語版の紹介をさせていただいて、被爆者である親の体験を記録に残すことの大切さ、文化交流の重要性などについて、参加者の皆様とシェアしました。
写真は会長の田崎豊子さん(左)と事務局長の吉田みちおさん(右)です。
今、南アフリカ共和国のダーバンで行われている世界心理療法会議での発表を終えました。短い時間でしたが、他国からの参加者が熱心に聞いてくれ、感銘した、重要だ、などのコメントをいただきました。
次回の世界心理療法会議では、メインスピーカーの一人になって欲しいと、フランス人の議長にリクエストされたのでお受けするつもりです。次回は、2017年にパリで開催です。
この学会の主催団体の世界心理療法学会の事務総長のドクター ネメスは、アメリカ人の臨床心理医です。ルイジアナの学会で4月に初めてお会いし、この発表の機会を下さいました。専門は自然大災害の被災者の心理療法についてで、ハリケーン カトリーナの被災者の心理的回復について数多くの研究と実践を行われ、世界の災害対応メンタルヘルスの権威です。チェルノブイリや福島についても、よく研究されており、広島の土砂災害についても話し合う予定です。
「共感することのプロセス」についての専門家のリトアニア人の精神科医や、「憎悪に対処する心理療法」について発表するセルビア人の臨床心理ドクターや、「(南アフリカ共和国における人種差別の歴史を)許さない心理」を研究している白人の南アフリカ共和国精神科医の他、いろいろな専門家にお会いして意見交換などをしており、遠くまで来た甲斐がありました。
今日はBBCのラジオ出演についてお話ししましょう。
*BBC( British Broadcasting Corporation 英国放送協会 イギリスの公共放送局)
昨年11月末以降、つまり12月7日(日本は8日)の真珠湾攻撃の72周年が近づいた頃です。
いろいろなグローバルメディアからインタビューの申し込みが入りました。
どの国のメディアも(オーストリア放送協会のラジオも含めて)電話やスカイプインタビューでしたが、BBCは生放送に出て欲しい、つまりは、ロンドンのスタジオ来て欲しいというのです。
さすがに12月にはすぐは行けないので、真珠湾に間に合わせないといけないのかと訊くと、関係ないとのことだったので、一番早期にいける2月に生放送の出演が決まりました。
リクエストのあった番組は、BBCラジオ4の毎週水曜の朝9時から1時間の人気番組、Midweek。、毎週各界の有識者や専門家を呼んでグループインタビューをするというトークショーです。
2月19日(水)、BBCに到着すると、アカデミー賞をとった「英国王のスピーチ」に出てくる昔からある伝統的なBBCの部分と、
すごく現代的なニュースルームなどの部分が隣接していて、天下のBBCはさすがに貫禄がありました。
で、出演者とホストがのんびりティーやコーヒーを飲み、雑談しているのですが、誰も何もリハーサルも打ち合わせもしようとしません。
出演者は私の他に、シェイクスピア劇場の証明専門の教授と、銀行員を辞めて絶滅寸前の植物の種を追いかけて世界中を回っている植物学者と、イギリスでは名の通ったコメディアン!!
このバラバラをまとまったインタビュー番組に出来るホストはすごいな、リハーサルはどうするんだろうと思っていたら、
9時少し前になって、やっとプロデューサーが全員をスタジオに案内し、リハーサルも何もなしで完全なぶっつけ本番が始まりました。
番組は、知識人の面白いおしゃべり会と言う感じで自然に会話は進んで行きました。ホストがかなり賢いし、本当にすごい人でした。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b03vgd8y
ところで、最初は水曜朝の定番のMidweek生放送のみということでしたが、ロンドンに行く前日、フランクフルトでアメリカのラジオに出演している私に連絡が入りました。
「実はワールドサービスの方も是非インタビューしたい。ついてはMidweek生放送の後で時間があるか」
生放送直後にアメリカへ帰る飛行機の手配をしていたので、ちょっと躊躇しました。
すると、側にいたマネージャーのラム・ショーハムが、「BBCからヒースロー空港へ直接送ってくれるなら時間が作れる」と言いだして、ワールドサービスへの出演も決まりました。
ヒースロー空港で、少し時間があったので、携帯電話屋のお兄ちゃんと私の本の話をしました。彼は本に感動して、ボランティアで翌朝のにわか付き人兼カメラマンになる申し出をしてくれました。
とても素敵な出会いでしたので、この話も近いうちにご紹介しましょう。
さてさて、話はBBCでした。
10時に生放送が終わった後、ワールドサービスのOutlookという番組のプロデューサーと話していると、スタジオにホストの大物、マシュー・バニスターがラフなスタイルで登場し、すぐに録音開始となりました。
その日に放送されたOutlookでは、ジョージ・クルーニーがメインのゲストでインタビューされていましたよ!
このワールドサービスのホストのマシュー・バニスターはイギリスでは有名な放送ジャーナリストで、元BBC国内ラジオの長でしたが、この人は生放送のホストより更にすごかったです。
私の本を半日で読んだそうですが、原稿も何もなしに、私から本のハイライトをどんどん引き出していくような自然なインタビューで、今までインタビューされた中で一番話しやすかったです。
さすが、だと感服しました。Outlookは録音されて編集されている約一時間の番組ですが、私のインタビューが放送された日は、私がメインのゲストでした。
(ジョージ・クルーニーがメインの日があったり、私がメインだったり、ジャンルが多岐にわたっていますね)
私がメインゲストの番組は2月24日から数回繰り返して放送されました。ワールドサービスなので各地のタイム・ゾーンを意識しています。
http://www.bbc.co.uk/programmes/p01sdg2d
そして、このワールドサービスの放送を聞いたBBCマガジンのプロデューサーが企画したのが、最近、取り上げられたBBCマガジンの記事です。
プロデューサーから「2ヶ月以上構想は練っていたのだけど、遅ればせながら」と5月末に連絡があり、更に電話でインタビューを何回か受けました。
何度も原稿を書き直したりしている様子で、「時間がかかって申し訳ないけど、特別な記事にしたいから」とメールでも何度もやり取りして、記事の著者と事実確認をしました。
閑話休題。
BBCマガジンの記事が今回のような特大、高画像の記事になったのは、アンドリュー(私の長男。24歳。映像関連の仕事をしています)の努力のたまものと言っても過言ではありません。
BBCは日本やサンディエゴまで写真を撮りにいくことまでは考えていなかったので、使える写真はないかというリクエストに対して、
アンドリューは、自分が撮影した多数の写真の中から求められているものを提供したところ、これならアーカイブと組み合わせて特殊構成のビジュアル記事ができると評価されて、編集者と作業を進めてくれました。
例えば、記事の最後でサーフィンの話の所に出てくる、サンディエゴから日本を向いた夕陽の写真なども、BBCのリクエストに応じてすぐに編集して対応いましたね。
編集者がとても凝った人だったようで、全てが揃ってからも中々、記事にならないのですが、(編集者は何度も謝っていました)
私にとってはさっと小さい記事を5月頃載せてくれるよりも、原爆記念日に近いこの時期に、ベストなタイミングで素晴らしいものを制作して出してもらって、心から感謝しています。
おかげさまで、BBCの記事が出た後は、英語版の本がイギリス、アメリカ、カナダ、オーストリアを中心に急に売れ行きが伸びて(英語版は即日レポートが見れます)、読んで感動したという人のコメントがあちこちから届いています。
近いうち、この素敵なコメントの中からもいくつか、ご紹介したいと思っています。