今日はBBCのラジオ出演についてお話ししましょう。
*BBC( British Broadcasting Corporation 英国放送協会 イギリスの公共放送局)
昨年11月末以降、つまり12月7日(日本は8日)の真珠湾攻撃の72周年が近づいた頃です。
いろいろなグローバルメディアからインタビューの申し込みが入りました。
どの国のメディアも(オーストリア放送協会のラジオも含めて)電話やスカイプインタビューでしたが、BBCは生放送に出て欲しい、つまりは、ロンドンのスタジオ来て欲しいというのです。
さすがに12月にはすぐは行けないので、真珠湾に間に合わせないといけないのかと訊くと、関係ないとのことだったので、一番早期にいける2月に生放送の出演が決まりました。
リクエストのあった番組は、BBCラジオ4の毎週水曜の朝9時から1時間の人気番組、Midweek。、毎週各界の有識者や専門家を呼んでグループインタビューをするというトークショーです。
2月19日(水)、BBCに到着すると、アカデミー賞をとった「英国王のスピーチ」に出てくる昔からある伝統的なBBCの部分と、
すごく現代的なニュースルームなどの部分が隣接していて、天下のBBCはさすがに貫禄がありました。
で、出演者とホストがのんびりティーやコーヒーを飲み、雑談しているのですが、誰も何もリハーサルも打ち合わせもしようとしません。
出演者は私の他に、シェイクスピア劇場の証明専門の教授と、銀行員を辞めて絶滅寸前の植物の種を追いかけて世界中を回っている植物学者と、イギリスでは名の通ったコメディアン!!
このバラバラをまとまったインタビュー番組に出来るホストはすごいな、リハーサルはどうするんだろうと思っていたら、
9時少し前になって、やっとプロデューサーが全員をスタジオに案内し、リハーサルも何もなしで完全なぶっつけ本番が始まりました。
番組は、知識人の面白いおしゃべり会と言う感じで自然に会話は進んで行きました。ホストがかなり賢いし、本当にすごい人でした。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b03vgd8y
ところで、最初は水曜朝の定番のMidweek生放送のみということでしたが、ロンドンに行く前日、フランクフルトでアメリカのラジオに出演している私に連絡が入りました。
「実はワールドサービスの方も是非インタビューしたい。ついてはMidweek生放送の後で時間があるか」
生放送直後にアメリカへ帰る飛行機の手配をしていたので、ちょっと躊躇しました。
すると、側にいたマネージャーのラム・ショーハムが、「BBCからヒースロー空港へ直接送ってくれるなら時間が作れる」と言いだして、ワールドサービスへの出演も決まりました。
ヒースロー空港で、少し時間があったので、携帯電話屋のお兄ちゃんと私の本の話をしました。彼は本に感動して、ボランティアで翌朝のにわか付き人兼カメラマンになる申し出をしてくれました。
とても素敵な出会いでしたので、この話も近いうちにご紹介しましょう。
さてさて、話はBBCでした。
10時に生放送が終わった後、ワールドサービスのOutlookという番組のプロデューサーと話していると、スタジオにホストの大物、マシュー・バニスターがラフなスタイルで登場し、すぐに録音開始となりました。
その日に放送されたOutlookでは、ジョージ・クルーニーがメインのゲストでインタビューされていましたよ!
このワールドサービスのホストのマシュー・バニスターはイギリスでは有名な放送ジャーナリストで、元BBC国内ラジオの長でしたが、この人は生放送のホストより更にすごかったです。
私の本を半日で読んだそうですが、原稿も何もなしに、私から本のハイライトをどんどん引き出していくような自然なインタビューで、今までインタビューされた中で一番話しやすかったです。
さすが、だと感服しました。Outlookは録音されて編集されている約一時間の番組ですが、私のインタビューが放送された日は、私がメインのゲストでした。
(ジョージ・クルーニーがメインの日があったり、私がメインだったり、ジャンルが多岐にわたっていますね)
私がメインゲストの番組は2月24日から数回繰り返して放送されました。ワールドサービスなので各地のタイム・ゾーンを意識しています。
http://www.bbc.co.uk/programmes/p01sdg2d
そして、このワールドサービスの放送を聞いたBBCマガジンのプロデューサーが企画したのが、最近、取り上げられたBBCマガジンの記事です。
プロデューサーから「2ヶ月以上構想は練っていたのだけど、遅ればせながら」と5月末に連絡があり、更に電話でインタビューを何回か受けました。
何度も原稿を書き直したりしている様子で、「時間がかかって申し訳ないけど、特別な記事にしたいから」とメールでも何度もやり取りして、記事の著者と事実確認をしました。
閑話休題。
BBCマガジンの記事が今回のような特大、高画像の記事になったのは、アンドリュー(私の長男。24歳。映像関連の仕事をしています)の努力のたまものと言っても過言ではありません。
BBCは日本やサンディエゴまで写真を撮りにいくことまでは考えていなかったので、使える写真はないかというリクエストに対して、
アンドリューは、自分が撮影した多数の写真の中から求められているものを提供したところ、これならアーカイブと組み合わせて特殊構成のビジュアル記事ができると評価されて、編集者と作業を進めてくれました。
例えば、記事の最後でサーフィンの話の所に出てくる、サンディエゴから日本を向いた夕陽の写真なども、BBCのリクエストに応じてすぐに編集して対応いましたね。
編集者がとても凝った人だったようで、全てが揃ってからも中々、記事にならないのですが、(編集者は何度も謝っていました)
私にとってはさっと小さい記事を5月頃載せてくれるよりも、原爆記念日に近いこの時期に、ベストなタイミングで素晴らしいものを制作して出してもらって、心から感謝しています。
おかげさまで、BBCの記事が出た後は、英語版の本がイギリス、アメリカ、カナダ、オーストリアを中心に急に売れ行きが伸びて(英語版は即日レポートが見れます)、読んで感動したという人のコメントがあちこちから届いています。
近いうち、この素敵なコメントの中からもいくつか、ご紹介したいと思っています。
コメントを残す