2014-6-3

Posted by wpmaster on 6月 04, 2014
Dr.Mikamoブログ

ウィスコンシン州のミルウォーキーの近くで二人の12歳の女の子が、友人のもう一人の12歳の女の子を包丁で19回刺し、殺そうとしたというので逮捕されました。この二人の供述では、インターネットのホラーサイトのリーダーに認めてもらいたくて殺人を計画したということです。被害者は包丁が心臓を「ほんの1ミリそれた」ため、一命を取り留めましたが、二人の容疑者は大人として扱われ、報道に実名も写真も出ています。

 

このようにアメリカの多くの州では、12歳以上17歳までの未生年でも、殺人、誘拐、レイプ、銃を使った強盗、ギャングによる犯罪など極悪な犯罪の場合には、法的にほぼ大人として扱われ刑事裁判を受けるかどうかが裁判官によって決められ、大人として扱われると決まった際には、終身刑や死刑もありえます。

 

カリフォルニア州では、未成年として裁判を受ける場合は少年裁判所で裁判を受け、カリフォルニア・ユース・オーソリティという少年刑務所に最長でも25歳になるまで拘束されて、その後は社会復帰が基本ですが、大人として裁判を受ける場合はその様な制限はありません。

 

この二人の容疑者は臨床心理ドクターによる精神鑑定を受けることになっています。容疑者の親もショックを受けているそうですが、事件の内容がもう少し詳しくわかってから、私も専門的見地から見たコメントができるかもしれません。
憎んでいたから殺意を実行に移した、お金などをゲインを目当てに反抗に及んだ、というような昔からある典型的な動機ではなく、ゲーム感覚の反抗が増えてきているように感じます。TV、ゲーム、インターネットの弊害が取り上げられるようになってもう既に久しいですが、本格的研究と対処法が必要です。先日同僚の臨床心理ドクターも、中学生にスマホを持たせるのはやめて欲しいとメディアで訴えていました。自傷行為や摂食障害などが疫病のように流行っており、スマホを通して刺激し合っていることが多いから、ということです。

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