2015-8-8

Posted by wpmaster on 9月 04, 2015
Dr.Mikamoブログ

「平和を願う退役軍人の会」総集会 最終日 「和解」フォーラム

サンディエゴ大学平和研究所講堂で行われた「和解」フォーラムは、被爆者の河村幾之助氏の挨拶で始まりました。被爆二世で「8時15分」の著者美甘章子、オリバー・ストーン監督脚本で、「プラトーン」「7月4日に生まれて」と並んでベトナム戦争3部作の最後の作品「天と地」(主演トミー・リー・ジョーンズ)の原作で自身の体験を綴った”When Heaven and Earth Changes Place”の著者レ・リー・ヘイスリップ、ベトナム系アメリカ人二世の社会学者タオ・ハー博士、ベトナム戦争帰還後多くの苦難を乗り越えて仏門に入ったクロード・アンシン僧、アメリカ先住民の伝統と日本の「気」を取り入れた治癒法と瞑想を教えるシルビア・オーロラがパネル講演者で、アメリカが史上行ってきた戦争の犠牲者などを代表して、退役軍人と「和解」すべく、自分や家族の苦悩やそれを乗り越えてきた道について洞察しました。

章子檀上

 

講演者それぞれのプライベートな内面での和解の道のりについてシェアーして欲しいというリクエストだったため、「8時15分」のなかで一部触れている、爆心800メートルで被爆して泣き言や不平は口にしなかった著者の亡き母、13歳の若さで被爆死した同叔母、二人の子供の被爆死についての罪悪感で死ぬまで自分を許せなかった同祖母、戦後障害を負う事になった同姉など、家族の中の女性の多くが背負ってきた苦悩や犠牲について静かに語り、参加者は大変深く心をうたれたと感想を述べていました。美甘章子は17歳の時に、母が縫ってくれた浴衣を着ました。他の女性達が果たせなかった夢や希望を一針一針に込められています。「今日は、自分のファミリーの女性全ての思いを身にまとって皆さんに個人的な内面の話をさせていただきます。」と『知』よりも『情』に焦点を置いた講演でした。

当日は長崎原爆70周年の記念日でした。講演会の後は、見晴らしの良い丘にある平和研究所の庭で、「恨みや苦しみを手放す儀式」として、自分が乗り越えたい事柄を参加者1人ずつが紙に書いて燃やし、ベトナム人たちが折った折鶴が風にゆれ、お経が唱えられる中、厳かな儀式となりました。

庭での読経

【平和研究所の庭での儀式】

章子と折り鶴

【母の縫った浴衣をまとった章子と折鶴の写真】

Vietnamese Paper Cranes

【ベトナム系アメリカ人の参加者と折鶴】

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