2015-8-7

Posted by wpmaster on 9月 03, 2015
Dr.Mikamoブログ

「平和を願う退役軍人の会」総集会 基調講演会

8月7日午後には、「ヒロシマ、マーシャル諸島(ビキニ諸島など)、アメリカの伝説」と題する講演会が行われ、「8時15分」の著者美甘章子が、「あのきのこ雲の下で」という題目で、原爆投下直前と直後の広島の様子や、多くのアメリカ人が知らない事実(広島と長崎の原子爆弾はピストン型のウラニアム爆弾とフュージョン型のプルトニアム爆弾で全く別の爆弾であったことや、広島市にほとんどが民間人の35万人が住んでいたこと、広島や長崎は原爆の実際効果を見るために焼夷弾による空襲は行われずにいたことなど)について述べ、「8時15分」の主人公で父の美甘進示の被爆体験、その後の苦労と感謝と許しの心を持った生き方、それを受け継いで国際的に行っている平和活動、ニューヨークの国連本部で盗難にあった祖父の形見の被爆懐中時計のことなどについて話し、聴衆の多くが涙を浮かべて聴き入っていました。講演後はVFPエグゼクティブ・ディレクターをはじめ、数々の人たちが著者に近寄り、「初めてこのような被爆体験談を聴いた。自分達の国がこんな非人道的なことをして、本当に申し訳ない。あなたのご両親やその家族の苦痛や犠牲や他の多くの犠牲者や被爆者のことを思うと、心から謝っても済む問題ではないけれど、ごめんなさいとしか言えない。そして、本当にありがとう。」と涙を流しながら胸を詰まらせて握手を求める人たちもいました。

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【会場の様子】

 

また、米国陸軍を退役後、ブッシュ政権のイラク侵攻やイスラエル・パレスティナ、北朝鮮などへの政策などに抗議してアメリカ国務省の公職を辞職した、アン・ライト前大佐が、マーシャル共和国(ビキニ諸島など)で何百回も行われた空中核実験がいかに非人道的で正気の沙汰とは思えないことだったかについて多くのデータを挙げて講演し、1958年に核実験を阻止する人間の壁となるためにカリフォルニアを出航した長さわずか9メートルの帆船「ゴールデンルール(黄金律)」について述べました。

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【アン・ライト前大佐】

 

元CIAの分析官レイ・マックガバーン氏(白人男性)は、「アメリカ人のほとんどが、原爆は戦争終結に必要であり、連合軍の日本本土上陸を防ぐことによって、何十万人の米兵だけでなく何百万人の日本人民間人の命も救ったと教えられているが、それは伝説に過ぎず、真実はもっと残酷なものだ。そもそも、真珠湾奇襲によって始まった太平洋戦争の終結に原爆投下は日本人の自業自得であるかのように政府はアメリカ国民に信じさせたが、アメリカ政府はとっくに日本軍の暗号などは解読していて、真珠湾攻撃が計画されていることは知っていた。が、国民の非難を浴びないで戦争を始める理由が必要だったので真珠湾攻撃を防止しなかった。ヨーロッパ戦線を取り仕切った、後の大統領アイゼンハワー元帥も、『日本は降伏の準備を進めていた。あんなひどいもの(原爆)で打ちのめす必要などなかった。』と述べているし、マッカーサー元帥も他の3名の米軍トップも原爆は軍事戦略的には必要なかったと公言している。ナチスに遅れをとってはいけないと核兵器の開発についてルーズベルト大統領に提言したアインシュタインもマンハッタン計画の総指揮を取った科学者オッペンハイマー博士も後にとんでもない事をしてしまったと後悔の胸中を述べている。ホロコーストを行ったナチスドイツに対してアメリカ国民は敵意を持っていたが、日本人に対しては人間ではなくゴキブリか溝鼠のように忌み嫌うようなプロパガンダが多く使われていた。それは、トルーマン大統領をはじめとする白人優越主義、つまり人種差別が根底にあったからだ。実際にベトナム戦争でも、当時の国防省のトップ(白人男性)が『東洋人の命の価値は、我々と同じではない。』とTVインタビューで述べている。我々の国の歴史は、アメリカ先住民殺戮から始まり、黒人差別、他の有色人種差別など、人種差別の歴史である。当時の日本人を忌み嫌う深い差別意識がなければ、明らかな戦争犯罪で民族大量殺戮(ジェノサイド)の原爆投下はあのような形で行われ正当化され、国民のほとんどが正当性を信じることになったとは思えない。」と、ドキュメンタリーフィルムの一部や、文献を示しながらきっぱりと述べました。

開会式Ray McGovern

【レイ・マックガバーン氏】

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